坂本慎太郎のインタビュー1【ゆらゆら帝国Ⅲくらい】

まゆ毛はいつ剃ったんですか? 





あのなぁ、死んでから評価したって遅いんだよ!生きてるうちがハナ肇! 
この動乱の新世紀の中で暗躍する、コクのある、味のある、違いのわかるゴールドブレンダー人間をつかまえてきては、 
勝手に「人間コク宝」に奉り上げる、それがこのコーナーだぁ~!! 

龍一より先に認定決定!コク宝・坂本慎太郎 

インタビュー 恒遠聖文 

今、我が国のロックシーンの中で、最もコク深き香りを漂わせるバンド…それが、ゆらゆら帝国だ! 
ほんの数年前までは、その超個性的な風貌と、不思議な響きを持つバンド名のせいからか、 
アンダーグラウンドでドロドロしたオドロ(ック)バンドのように語られてきた彼ら。 
ここにきて、これまたオドロックほどに彼らのサウンドは一般層にまで浸透してきているのだ。 
もし、渋谷のセンター街を歩くコギャル3人組が、ゆらゆら帝国を口ずさみながら歩いていたとしても、 
それはなんら不思議な光景ではないのだ。 
最新アルバム「ゆらゆら帝国Ⅲ」。その“ぬけのいいサウンド”は、カラフルに、時にポップに、ゆらめく。 
音の粒子たちは、発光し、発砲しながら飛び出してくる。 
彼らのサウンドが、極一部のディープなアンダーグラウンドロックファンから、一般層にまで広がったのは事実なのだが、 
これは別に、彼らが日和ったわけでも、彼らの根本にあるロック魂がマイルドになったわけでもない。 
それは言うなれば…オドロオドロしい漫画の代名詞だった「墓場の鬼太郎」が、「ゲゲゲの鬼太郎」へと名前を変えた瞬間に、 
子供たちに愛され、キャラクター化されていったのとよく似ている。 
だが、いくらカラーになっても、お菓子のおまけになってみても、 
「鬼太郎」や、水木しげる先生の幻想的で狂気的な世界は変わらないし、 
ポップな絵柄ゆえに、余計に恐怖を感じることもある。 
同じように、ゆらゆら帝国のクレイジーワールドが、たとえ地下からホールへ移されようが、コンパクトなディスクになろうが、 
デジタルパッキングされようが、その濃度や“ゆらゆら度”が薄れることはないのである。 
そんな、ゆらゆら帝国のヴォーカル&ギター担当、坂本慎太郎。 
彼のコク深き、ディープなギラリズムがチラリズムするこのインタビューを、ぜひ読んでみてくれ! 

・あのぉ~、まゆ毛はいつ剃ったんですか? 
「20歳くらいかなぁ」 
・きっかけは何だったんですか? 
「いや…けっこうね、流行ってたんですよ」 
・流行ってたんですか? 
「流行ってなかったすか?」 
・あぁ、山口冨士夫さんとか一時期… 
「そうそう。冨士夫さんが『ひまつぶし』の中の写真で、アフロでまゆ無しで前歯を出した写真があって。 
 あれが、昔から僕の中での究極のロックスター像ですね」 
・大学生のころからまゆ無しだったんですね。 
「あ、それで、なんかヤ~なオーバーオールとか着てましたね。 
 ダボダボのかわいいやつじゃなくて、ピチピチのオタクみたいなやつ(笑) 
 ダサかったですよ、ホント」 
・そういうのを狙ってたんですか? 
「そうですね。10代後半~20歳くらいのころって、みんな自己顕示欲が強いっていうか、嫌な感じじゃないですか。 
 いかに人と差別化を図るかみたいな。 
 で、そのころまだ、誰もベルボトムとかみんな履いてなくて」 
・あぁ、ラッパだ!って笑われてたころですね。 
「そう。歩いてると爆笑されたり、女子高生に後つけられたりとか。 
 電車で子供に指さされて、『バケモノ』って言われたりとかね」 
・ひどい(笑)! 
「そういうのをバネにして、無理やり活動していきましたね(笑)。俺の…暗黒期です。 
 あっ、この前、むかし温泉に行った時の写真が出てきたんですよ。それ見て、ホントにたまげちゃって。 
 髪の毛が凄く長くて、おでこの真ん中に剃り込みを入れて、まゆ毛は点々で、ヒゲ生やして。 
 で、ビチビチの長袖Tシャツ着て、白と黒の横縞のピタピタのスパッツ履いて、 
 500円のサンダル履いて…熱海の観光客に混じってるんですよ」 

・凄い光景だ! 
「で、それ見て『俺、何でこんなかっこしてたんだろ~』って悩んじゃって(笑)。 
 横に普通のかっこしてる彼女がいて、なんか申し訳なかったなぁ~って(笑)。 
 あと、正月の家族写真も出てきて。ばあちゃんを囲んで親戚一同が写っている中に、 
 そのかっこうの俺が端っこにいるんだけど…親戚とか何事もないように写ってて(笑)。 
 あんまり怒られた記憶とかないんだけど、よくみんな何も言わなかったな… 
 なんか、ありがたかったなぁ~なんて思っちゃったりして」 
・凄いズボンを履いてたんですよね? 
「ケツの割れ目のギリギリのところで切って、凄く股上の浅いズボンを作って。 
 で、凄いかっこいいな~と思ってやってたんですけど…ある日のライブが終わったら、 
 『後ろ向いてアンプいじってる時に、肛門見えてましたよ』って言われて(笑)。 
 …それでやめました」 
・そういう美学はどこからくるんですか? 
「とにかく、普通のかっこいいロックみたいな人ってワルでしょ? 
 でも、ライフスタイルが過激なわりに、音楽は普通っていうか、保守的な人が多いなと思って。 
 で、そんな時に先人の奇人変人のロックの人たちと出会って、 
 そういう女にもてるロックじゃなくて、人にショックを与えるロックに目覚めて。 
 自分の持ち味を無理せず思いっきり出せばかっこよくなれるっていう道を見つけて、そっから暴走したんですよね。 
 だから、リハで会場入りした時に、対バンの人とかに、いかに『うわ~っ、キモチワリィ』って思わせるか、 
 ヤ~な雰囲気漂わせるかみたいな、そういうのばっかり考えてて」 

・ライブの演出でも、変なことやってたんですか? 
「曲のブレイクで、ドラムの人が全裸になってセット飛び越えて出てきたりとか、いろいろ。 
 で、どんどんエスカレートしていって、最終的にやんなかったんだけど… 
 そのころ、オシッコ療法ってあったでしょう?」 
・朝イチのやつを飲むってやつですね。 
「で、俺やってみたら、とりあえず飲めたんですよ。 
 だから、ジャッてブレイクした時に、オシッコをチューって飲んだらスゲェーんじゃないかなって思って(笑)。 
 でも、さすがにそこでブレーキがかかって。まぁいろいろ、そこでオシッコが出なかったらカッコ悪いなとかも考えたし…。 
 それで自分の中で一段落して」 
・DMBQの松居さんと仲良しですよね。誕生日にナマズをもらったとか噂を聞いたんですけど。 
「それは…そうなんですけど。昔、一緒にテレクラでバイトしてる時に…」 
・えっ!テレクラでバイトしてたんですか? 
「あの…受付と称するもので。ずっとギターを弾いてたりしてただけなんですけど(笑)。 
 外から鍵閉めてお客さん閉じ込めて、練習行って帰ってきたりしたから、毎日、売り上げゼロとかで。 
 まぁ、クビになって、夜中にポストにティッシュを投函するのに回されたんですよ」 

・しかし、テレクラでバイトしてたとは。 
「かなり前ですよ…第一期テレクラブームの時」 
・おもしろいエピソードあります? 
「電話の会話って聞けるんですよね。それでテレフォンセックスしてる回線見つけて、それをテープに入れて、 
 俺と松居さんが作った、“泣き”の曲の上にその会話をかぶせて、すごいムーディーなものを作ったり」 
・前衛的なことやってたんですねぇ(笑) 
「…ええ。あと、そこで作詞作曲したりとか。 
 で、一郎は、ず~っと鉄パイプを振って体を鍛えてて」 
・一郎って、ゆらゆら帝国のドラマーの一郎さんですか? 
「一郎は店長。僕ら、一郎の下で使われてた(笑)」 
・嫌な店ですねぇ(笑)。 
「一郎とか、店の中でロケット花火とかしてるし。 
 あと、便所が汚いから掃除しろって言われて…。 
 で、ホント汚かったんだけど、掃除しないで全部上からペンキ塗ったんですよね、ゴミごと。 
 そしたら、凄いきれいになって。でも、勢い余って窓ガラスまで塗っちゃったんですよ(笑)。 
 あとは…マヨネーズブームとかね」 
・なんですか、ソレ? 
「とりあえず、なんでもマヨネーズをかける。 
 だから、あの…公衆電話のおつりが出るところとかに…」 
・ハハハ!悪い人ですねぇ。 
「いや、悪いとかそういう考えじゃなく…、とりあえず“なんにでもマヨネーズ”ってあるでしょ? 
 アジフライにマヨネーズとか…」 
・あぁ、冷やし中華にマヨネーズとか… 
「そう、その延長で」 

Author: 欲望ソース

too short my life

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