教壇の先生が持ってるテキストは僕らの手元の教科書と違う。
僕らの本に書いてないことが先生の紙面には書いてある。
僕らの本はページ番号も滲んでる。
先生がOHPシートに自分の教科書を印刷し、スクリーンに映したことでその差異は判明したのだ。
だから僕は先生に異議申し立てをした。
「教科書が違いますよ!そこにそんなもの書いてない。それに、僕らの本はページ番号が読めない。だから『指定されたページを開く』なんてことは出来ないですよ」
すると、太った女の生徒が先生を擁護した。
「ページ番号くらいで騒がなくていいでしょ」
僕はすぐに言い返した。
「自分の教科書に使えないページ番号が載ってても悲しいだろ」
「小さいやつね。鼻水でもなめてれば」
彼女はそう言って、彼女の鼻から垂れる透明な粘っこい汁を自らの手になすりつけ、それを僕の顔の方まで持ってきた。
だから僕は激昂したんだ。
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