母親からそーこに入れられた記憶の断片
僕が悪いことをすると
母親は
「そーこにいれるよ」
と怒鳴る。
何度か、本当にそーこに閉じ込められた。
暗くて、ホコリまみれの、そーこ。
そーこの奥には、三歳児くらいの大きさの裸ん坊の肌色の人形が置いてある。
(ちゃんと髪の毛も生えてるやつ)
それがまた怖い。
そーこにいれられると、締め出されたショックと
そーこのオカルトチックな怖さから、僕は泣き叫び
「もうしません!だしてください!お願いします!いい子になりますから」
と、扉の外にいる母親に懇願していた。
何度も繰り返し懇願すると
「もうしないね!ぜったいよ!つぎやったら、またそーこだからね!」
と言って、母親は鍵を開け、ガラガラ扉を開き、えぐえぐしている僕を、そーこから出してくれた。
大体、そーこから出た後は、汗びっしょりで、ボケーっと、放心状態だった。
反省していたのかどうか、あまり思い出せない。
多分、その記憶の一部は、成長していくにつれ、生きていく上で邪魔になるから、あえて、消してしまったのかもしれない。
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