GONGONと元B-DASHメンバーの間に何があっても

一種の劇場型の天才だったと思う

GONGONさん死去「心のきれいな人だった」「思い出がありすぎるよ…」ミュージシャンら追悼(日刊スポーツ)
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2024/07/11
突然のGONGONの訃報という悲しい発表があって私はショックを受けたが、綾小路翔などの追悼メッセージを読みつつ「元メンバーの気持ちはどうなるか」とも思った。
その想起の原因はこの画像一枚でしかないが、まぁおおよそのことは検討がつくと言われても仕方が無いと思うし、そんなこともあったねといつかは水に流せる日が来ているのかも知れない。
もう2000年代周辺のインディース全盛期の誰もが10代や20代じゃないし、40代以上の大人は誰しも多かれ少なかれ、過去が作り出した葛藤の中で生きていくもんだろうと思う。
すでに第一線から退き、セカンドライフに進む人。今もまだモッシュやダイブの世界でもみくちゃにされながらも、老いそのものが追いかけてくる日々をやり過ごしている人。
それはオーディエンスもミュージシャンも同じ事だろう。

B-DASHが解散してから、彼はTwitterで少々赤裸々すぎる投稿を繰り返していた。
依存症との闘い。経済的な事情の投稿。多方面への薬物への言及。
B-DASH後半からはセールスが伸び悩み、苦しんでいたように見えた。
しかし、彼の中年期の苦しみの中にすら「いたずらっぽい感性」は常にあって、なおかつ「顔も見たことのない他者」への思いやりも垣間見えた。
ガザへの想いも、経済的困窮の中に生きている他者への想いも、サイコアクティブへの依存症と闘う苦しみの吐露と共存していた。
私は彼のイノセントな部分が作り出す危険な領域も好きだった。
めちゃくちゃ語の中に「カナビス」という単語をそっと混ぜ込んで、誰にもマネできないメロディーで歌ってのける類い希なる作家性を尊敬していた。
日本のミュージシャンには珍しく、大麻が好きだということを隠さない振る舞いも好きだった。
彼はポップでありながら、気の触れたようなミクスチャー精神に溢れていた。ほぼ変態だろうという組み合わせも難なく繋げて、古くならない音楽をこの世に生み出した。そういえば、変態は古びないって坂本慎太郎も言ってた。
すこししゃがれたユニークな声も素敵だったし、独特のコーラスとツボを押さえたギターワークはスタジオアルバムでも光っていた。
ファンと電話番号やメールアドレスを公開して、なおかつプライベートで遊んでくれるような、壁を作らない人柄も好きだった。
ファンのために、デモ音源なども惜しみなく公開してくれていた。
ただ、レスに対する喧嘩っ早い部分もあった。
それと同時に人類愛に似た優しい部分も存在していて、少し甘えん坊な様子も垣間見えた。
それでいて、子どもが好きで、実の子や親族の子と遊んで、楽しく過ごしている様子の呟きも多く残っていた。

私はGONGONみたいに、心のどこかに子どもを連れているような人が好きだ。
でも一人、この世界からまた消えた。


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